地震学専門の都司嘉宣氏の大正関東地震に
よって発生した倒壊家屋や死者の発生の分布
調査から、市街地が立地する地盤の硬軟で
特有の特徴を持つことが明らかになっている。
関東平野は外観上で一様の平坦地と見えて
いても、平野生成時に自然堤防で在った場所と
沖積層である地域とでは、地盤の固さに大きな
差が存在し、地震動による揺れの強さにも
大きな差が出る。
震源地の真上の地域は当然ながら一瞬で家屋が
破壊されて多くの死者が発生する。
だが、大正関東地震では、多くの家屋が倒壊した
にも拘らず、倒壊数の割には死者数が少ない
地域が存在することが判った。
千葉市から木更津市にかけての房総半島西岸は、
全壊戸数が多かったにも拘らず死者が少なかった
のは、軟弱地盤のため揺れが大きくてもゆっくりと
していて屋外に逃れる余裕があったため。
一方の、埼玉県北部の幸手市周辺や川島町付近
春日部市周辺は利根川水系の自然堤防の地域で
あるため、全壊戸数に比べて死者数が多く出た。
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