一年前に、５年以上餌を食べず絶食を続けていた
「ダイオウグソクムシ」が死んだと言う記事が注目を
集めて話題になっていた。
長期間の断食で、どうして命を繋いだのかが謎で
あったが、胃の中は酵母菌を含んだ褐色の液体で
満たされており、これが生命力の源となるカギを
備えているとして研究が進められた。
ダイオウグソクムシはメキシコ湾などの深海600～
700ｍに生息するダンゴムシの仲間。
今年は日米が主導する国際プロジェクトで行われた
ニュージーランドと南米大陸の中間地点周辺の
水深3740〜5695ｍの海底掘削調査が注目を集めた。
通常、沿岸域では海底下数ｍｍ〜数ｍで無酸素
状態になるが、この海域では海底表面から地下
75ｍまで全ての堆積物中に酸素が含まれていた。
更に、栄養分となる有機物の濃度が0.03％以下と
極めて少ないのに、１ｃｍ3当たり数百〜数千個
程度の微生物の存在が確認された。
堆積物が備える酸素濃度の変化から試算すると、
エネルギー消費量は大腸菌の１億分の１以下と
なり、この微生物は１億年以上前に蓄積された超
低栄養の地下環境で酸素を得て生きて来たのだ。
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