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2009年8月13日木曜日

キキョウの花

街角の賑わい  油絵  10号



記録上では最も遅い梅雨が明けた西日本では、一気に

襲ってくる強烈な暑さに備える術もなく、ただただ夕暮れの

涼風を待つしかない日々が続いている。

心頭滅却すれば、ではないが35度を超える暑さの中

特別な暑さへの備えもなしに社寺を巡っている人も予想外に

多く、へとへとになっている自分の目から見れば、世の中には

暑さを力にしている異世界の人がいるものだなと感心ばかり。

山間から夕暮れの涼風が降りてくる頃の寺の庭に咲く

キキョウには、涼味をより感じさせる清涼さがあります。

白いキキョウ、青いキキョウ。

それぞれに感じさせる個性があるのか、観る人は二つに

分かれて自分の世界に陶酔しているようです。

若い人には色彩のしっかりした青紫の方が好まれ、白い方は

夢幻の境を備える世界を観る老壮のフアンが多いようです。

万葉の時代にも、歌人に愛でられていた花の中の一つで

歌の題材として登場しますが、この時代はキキョウではなく

「あさがお」と読まれて登場します。

今のアサガオは平安時代に薬剤として持ち込まれた

もので、万葉時代のアサガオは、ムクゲやヒルガオだとする

説もありますが、詠われている内容を備えている花は

キキョウだとする説が、今では有力です。

    アサガオは 朝露負ひて 咲くといへど

       夕影にこそ 咲きまさりけり
                 (巻10-2104)


 「備えよ常に! 備えあれば憂いなし」ですね。
 
 健康と安心のメタボへの備えは?





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